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新国立大劇場のオペラ鑑賞は、2005年の『マイスタージンガー』以来 という不真面目さである。 それもこれも、これだったら観に行ってみようと思わせる意欲的かつ 魅力的な出し物が見当たらないからなのだ。新国立劇場には“祭り” が存在しないのか……。 「悔しかったらその気にさせてみろ!」とか何とか悪態の一つもつき たくなる。おまけにというか、新国のワーグナー上演ははずさないと いうつもりでいたら、何というか『さまよえるオランダ人』はしっか りスルーしてしまったのだ。 というわけで『タンホイザー』に行ってきた。ハンス・ペーター・レ ーマン演出の舞台は陳腐の一言。どこにも“ああ、そういうことだっ たのか”というサプライズの一つも潜んでいなかった。というか、ど うも『タンホイザー』というオペラ自体にそういう舞台設定をさせて しまう何かが潜んでいるような気がしたりする。そうなればなったで 邪魔をしない舞台だということにもなるのだが……。 それは冒頭のヴェーヌスベルクのバレエ……どうして新国立劇場バレ エ団よりも牧阿佐美バレヱ団の人数のほうが多いの?……のアイデア の欠片もない月並みな振付けに眼を閉じたくもなったし、チープな樹 脂製の柱と時代的な衣装のアンバランスさも同様である。 俗世とヴェーヌスベルクの境界が曖昧である、というようなことを表 現したいとか、どうもそういうことではなさそうである。序曲で巨大 な迫がいくつもに分解して徐々に豪快に上がってきて、先を期待させ たにもかかわらず、それ以降の能が無さ過ぎである。それこそ、三幕 でヴェーヌスが歩いて引っ込んだに至っては……冒頭の迫上がりは何 だった?のである。 <続く> 【去年の今日】悼話§中村源左衞門さん(歌舞伎役者) |
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