|
[承前] と心配するほどのこともなく目指す座席にたどり着き、開演を待つ。 この日の弦楽器配置はいささかというかかなり変わっていて、ヴィオ ラが第一ヴァイオリンのところに位置し、第一ヴァイオリンがヴィオ ラの隣という配置である。現地の評によれば、ヴァイオリンと木管楽 器群との関連づけを密にしたということだった。 ステージ正面から聴くことを前提にした配置だったので、実際に効果 的だったかどうかまでは残念ながらわからなかったのである。 トリスタンを歌ったのはベン・ヘップナーで、イゾルデをデボラ・ポ ラスキー、アルベルト・ドーメンがクルヴェナールをという布陣。歌 手は、ステージ後方のスペースで簡単な演技をしながら歌うというも ので、オーケストラとスペースの間にはプロンプターも控えていた。 アバドが指揮したベルリンフィルは、ワーグナーの音楽から、それは もう精妙の権化のような響きを引き出していたのだ。それはアバドら しいアプローチと言っていいと思うのだが、いわゆるドイツ的な低い 重心ではなく、オケ全体の響きが等質化されていて、同様なものは過 去に聴いたことはなく、この先も聴けるとは思えなかった。 印象的だったのは第三幕で、ドミニク・ヴォレンヴェーバーによって 演奏されたイングリッシュホルンの音色。それだけ取り出して聴いて もというぐらい雄弁に会場の空間を満たしきっていたのである。 かくして我が最初のフィルハーモニー訪問は終わり、タクシーに乗っ てKaDeWe近くの中華料理屋でささやかに祝杯を上げたのだった。 [続く] 《オーケストラのトピックス一覧》 |
| << 前記事(2008/05/07) | トップへ | 後記事(2008/05/08)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/05/07) | トップへ | 後記事(2008/05/08)>> |