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zoom RSS 想話§尾瀬〜音楽と心象風景[下]

<<   作成日時 : 2011/08/22 00:00   >>

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[承前]

思い出したもう一つの音楽が鳴り出す風景は、10月下旬から11月初旬
の小屋閉めの時期の尾瀬である。

この時期、尾瀬にいるのはごくわずかの登山客と、冬の休業に向かっ
て小屋の戸締りに忙しい関係者のみで、人口密度は圧倒的に低下して
いるのだ。

しかも、尾瀬ヶ原は冬枯れで、朝方には真っ白な霜が降り、場合によ
っては雪がちらつくことだってある――下界ではようやく紅葉狩りだ
というのに――のだ。そんな荒涼とした風景を前に思い出すのは、水
芭蕉から新緑、そしてニッコウキスゲの黄色で覆われた尾瀬ヶ原なの
である。

山小屋仕事の合間の休み時間に1時間ほど木道を歩いてみる。空気は
冷え冷えとして冷蔵庫というよりは冷凍庫に近いように感じられる。
20分も歩けば、寒々と深閑とした光景のなかに一人ぽつんと佇んでい
られるのだ。

そんな中、頭の中を通り過ぎていくのは下界にいる時に買ったばかり
のグレゴリオ聖歌だったりする。ヨーロッパの石造りの修道院という
密閉された空間で歌われる聖歌が、茫洋とした冬の高原に立つ我が身
を通り過ぎていく。

春、夏、そして晩秋の尾瀬の風景と音楽の個人的繋がりをまとめてみ
たが、厳冬期の雪に覆われた尾瀬に入ったことはなく、そこからどの
ような音楽が浮かび上がってくるものかと、これは想像するばかり。
                             [了]

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