奥話§さみだれを あつめてはやし もがみが?

もう20年以上前になるのか、某民放の高校生クイズ選手権が始まって
間もない頃のことである。

それまで快調に予選をクリアして悠々と決勝に勝ち進んだ3人組は、
全員が“理数受験”クラスに属していた。そこで見ている側からした
ら抱腹絶倒の珍解答が飛び出したのだ。

問題はというと、俳句の十七文字の何文字かを隠しておいて、事前の
クイズに解答できると、隠れた文字が少しづつ現れてきて解答権のあ
る組がその俳句を正しく答えるというものであった。

彼らは、俳句を解答する事前問題には他のチームに先んじて答えられ
るのだが、ガチの理系少年達には俳句がからっきしなのである。

《珍答二例》

さみだれを あつめてはやし もがみが

さみだれを あつめてはやし もがみが

彼らの名誉のために繰り返し書いておくが、それ以外の問題にはほぼ
完璧に答えられていたのである。ところが“最上川”が答えられない
のだ。事前問題を答えられなかった他チームのほとんどは、解答がわ
かっていたにもかかわらず解答権を持っていないがゆえに、その全員
が歯痒い思いをしていたのであった。

結局、ようやく解答権を得た他の高校チームが、あっさり“五月雨を
集めて疾やし最上川”と正答し、これが祟ったか理系チームは、あと
一歩のところで優勝を逃してしまったような記憶がある。

こちとら文系組としては、何故こんな簡単なことがわからぬか! と
画面に向かって叫んでいたのだが、逆のケースだったらどうだろうか
とも思った。化学式だとか化学反応の問題だったとして、文系組には
手も足も出ないものがあったりするんではないか……。

これと似て非なるようなことが我が高校生活の中でも起こっていた。
まさに絵に描いたような理系――特に数学――の同級生が、現代国語
の教科書の一節を読むのに、しどろもどろというか箸にも棒にもかか
らない珍朗読をして現国の教師を激怒させたことがあった。

いや、ひょっとして彼ら理系の頭脳では、日本語の文字列も単なる記
号の羅列として捉えているのではないかとまで思ったのである。

+今日の富士山……○

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