人話§影響を受けた音楽家[3]

指揮者が続いてしまうがヴォルフガンク・サヴァリッシュである。

初めて聴いたのはNHKホール柿落としの記念コンサートの『第九』
で、東京に出てきたばかりの青二才――ほとんど死語――は、巨大で
真新しいホールにびっくりしていたのだった。

その当時ホールの音響がどーたらこーたらなどと御託を並べるほどの
経験も知識もなく、それが幸いしたというかサヴァリッシュの第九を
堪能した。

その後もしばしば実演を聴く機会に恵まれた指揮者の一人で、ミュン
ヘン・オペラの来日公演での『マイスタージンガー』や『アラベラ』
そして『影のない女』などは印象的である。

20年前、彼がまだ歌劇場の監督をしていた時のこと。10日足らずのミ
ュンヘン滞在の初日、朝早く食事を済ませて散歩に出た。歌劇場に沿
った歩道を歩いているとサヴァリッシュが向こうから歩いてきて鍵を
取り出して通用口から入っていくところを見た。

日本でそんな光景など見たことがなかったので、職業としての音楽家
の存在を初めて感じたといってもいい新鮮な瞬間だった。

《オペラのトピックス一覧》

この記事へのコメント

2007年04月23日 23:28
この第九の演奏会の時はわたしも音大の学生だったときで感激して合唱で出ておりました。練習時に Sawallisch 氏がある部分を歌ってくれたのですが、その声の立派さに驚嘆した思い出があります。最後 Goetterfunken! で終わるときの [fun-ken!] の彼の両肘の使い方が鮮やかでしたね。
2007年04月25日 12:15
いい声してますよね>サヴァリッシ
ュ氏。

東京に出てきて、一番に聴いた演奏
会がこれでした。

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