頂話§頭を雲の上に出し

年末から三が日、松の内までのほぼ毎日、我が家からも富士山を見る
ことができた。

故岩城宏之が書いたエッセーの中に、飛行機が日本に近づくと頭の中
でいつ知れず“あーたまをくーもーのーうーえにだーしー”のメロデ
ィーがエンドレスで流れ続ける……というのがあって、そんなものか
いなと思っていたら、ある年の旅行帰りの飛行機の中から朝の富士山
の、ほんの頭の先っぽだけだったが見つけることができた。

その途端に“あーたまを”が流れ始めたのだ。この時に、これはもう
あの歌を知っている人間の性なのだと思った。いつでもどこでも富士
山を見た瞬間に条件反射のように“あーたまを”とくるわけだが、迷
惑でも何でもなく、むしろ鳴ることを楽しんでいると言ったほうがい
いかも知れない。

これほど高い象徴性を持った存在が他にあるだろうかと思うのだ。

《富士山のトピックス一覧》

この記事へのコメント

2008年01月08日 12:50
私の住む目黒でも見える場所<高台>があります。
今年はまだ観ていません。そろそろ空気も汚れ始めましたから見える確率が少なくなりそうです。
2008年01月08日 15:51
田舎から東京に出てきて、富士山が
見えることを知りました。その時か
らうれしかったりしてます。

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