雅話§我が日本をいかに知らしめるか[下]

[承前]

旅先の小さなホテルでは、なぜだか日本人が珍しい存在だったりで、
そんな中に放り込まれると、大なり小なり日本について語らなければ
ならない羽目になる。まあ、クラシック音楽絡みの旅行だから“なぜ
日本人がクラシックを聴くのか”というお約束の質問から始まる。

その後は人それぞれになるのだが、これまでの経験からすると、特に
女性軍から“ほとんど仕事をしない天皇家の長男の嫁”についての質
問が多く浴びせかけられる。ちょっとあっちのニュースをネットで見
ればわかるが、王室ネタは“永遠”の興味の対象で、日本人が想像す
る以上に、我が皇室の様子が――いわれのない誤解も少なくないだろ
うが――頻繁に報道されている。

どこかの国のように鎖国状態でない以上は、それこそ現在最も刺激的
な話題である“捕鯨”という問題についても、政府や民間の別を問わ
ずに自分達の立場を説明することを厭ってはならないのである。いや
“やっている”と言う向きもあるかも知れないが、それが効果的に発
信されているものかどうか。

“日本人論”などといって、外側からどう見られているかということ
にはかくも敏感な日本人であるにもかかわらず、自分たちを知らしめ
るという労力をネグっているだけとしか思えないのだ。

情報の“小出し”“後だし”“隠蔽”など論外のことなのである。

【去年の今日】逍話§ベルリンを歩く(11)国立歌劇場[上]

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