寵話§映画『アマデウス』再見
先週の土曜日に、ディレクターズ・カット版の『アマデウス』が放送
された。3時間超の作品だったが、最初の1時間だけ観た。
本当にピーター・シェーファーの原作は見事に書かれていて、だから
『アマデウス』を観た人の中には“モーツァルトの臨終の場にサリエ
リが立ち会っていて、しかも瀕死のモーツァルトが書いているレクィ
エムの手助けをした”と思い込んだ向きが多かったとか聞いた。
それもまた宜なるかなと思うくらいに、見事なまでにお話が“でっち
あげられて”いたのである。でっちあげも、こういう次元まで来れば
大拍手ものなのだ。どうせ嘘をつくなら、でっかい嘘をつきましょう
ということか。
ところで、映画を観ていて感心したのはモーツァルトを演じたトム・
ハルスの指揮姿が非常に巧みに見えたことである。サリエリ役のF・
マーリー・エイブラハムの指揮ぶりも上手で、外国映画や日本映画に
おける指揮の演技では最もうまかったと思う。映像を見ていないのだ
が『砂の器』における、俳優Kの指揮ぶりが最悪だったとは同居人の
証言である。
こういうことを書くのは野暮なのだが、久々に見ると話される台詞が
全編英語でというのは、さすがに鼻についてしまった。我々はどうせ
字幕スーパーを頼りにするのだから、ドイツ語でだったらそれなりの
雰囲気が醸されたかも知れない。ドイツやオーストリアでだったら、
ドイツ語吹替えだから好都合ではないかと思ったのだが、そうすると
日本語の字幕がついていないことに気がつくのだ。
《クラシックのトピックス一覧》
された。3時間超の作品だったが、最初の1時間だけ観た。
本当にピーター・シェーファーの原作は見事に書かれていて、だから
『アマデウス』を観た人の中には“モーツァルトの臨終の場にサリエ
リが立ち会っていて、しかも瀕死のモーツァルトが書いているレクィ
エムの手助けをした”と思い込んだ向きが多かったとか聞いた。
それもまた宜なるかなと思うくらいに、見事なまでにお話が“でっち
あげられて”いたのである。でっちあげも、こういう次元まで来れば
大拍手ものなのだ。どうせ嘘をつくなら、でっかい嘘をつきましょう
ということか。
ところで、映画を観ていて感心したのはモーツァルトを演じたトム・
ハルスの指揮姿が非常に巧みに見えたことである。サリエリ役のF・
マーリー・エイブラハムの指揮ぶりも上手で、外国映画や日本映画に
おける指揮の演技では最もうまかったと思う。映像を見ていないのだ
が『砂の器』における、俳優Kの指揮ぶりが最悪だったとは同居人の
証言である。
こういうことを書くのは野暮なのだが、久々に見ると話される台詞が
全編英語でというのは、さすがに鼻についてしまった。我々はどうせ
字幕スーパーを頼りにするのだから、ドイツ語でだったらそれなりの
雰囲気が醸されたかも知れない。ドイツやオーストリアでだったら、
ドイツ語吹替えだから好都合ではないかと思ったのだが、そうすると
日本語の字幕がついていないことに気がつくのだ。
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