写話§初めてのカメラ~フジペット~

1960年代の初め頃、初めて買ってもらったカメラが富士フイルム製の
“フジペット”なるカメラだった。

今の重装備のカメラと比べるまでもなく、子供のためのおもちゃカメ
ラのようなものである。単眼レンズでシャッタースピードは固定化さ
れていた。絞りはあったが、晴れ~薄曇り~曇りという選択肢。

フィルムは、同社のネオパンというブローニーサイズを使うのだが、
確か12枚撮りくらいしかなく、フィルムを装填して手巻きで送り、使
い切ったら自分で巻き戻すようになっていた。

シャッターのメカは不思議なもので、レンズの左右に付いていた三角
形の突起に表示されている番号通りに押すのである。1を押すとロッ
クが解除され、2を押してシャッターが切れるという、どーだ! 他
にそんなメカニズムを持つカメラがあるか? と、今考えても奇妙な
メカだが、子供用ということでの誤動作を防ぐという意図でもあった
のではと思われる。

ピント合わせなども当然ながらなく、フィルムを入れて絞りを天気に
合わせてシャッターを押すだけという手軽さのゆえか、あっぱれなこ
とにミリオンセラーを記録したのであった。

買ってもらったフジペットは10年近く使っただろうか。1970年頃に、
父親がペンタックスの一眼レフを買ってきた。カメラというものは、
ピント合わせをするのだとその時に知ったようなものである。

【ひだまりのお話の原点】

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