響話§ベートーヴェン~交響曲第5番~

一番最初に聴いた交響曲である。既に40年という時間が経過した。

“最初に聴いたらいいクラシックは?”という陳腐な質問があって、
やれ何たらかんたらと懇切丁寧なアドバイスがあったりするが、最初
に聴くのが何かなど人に尋ねる筋合いのものでなし、何を聴こうが一
向に構わない。CDショップに行って目をつぶり“エイヤ!”っと指
したものを聴けばよろしい。まあ、間違っても現代音楽のコーナーで
はしないほうが吉だとは思うが。

それで、こちとらにしたら初めてまともに聴いた交響曲がベートーヴ
ェンの5番だったというだけの話である。聴いた時には、交響曲が4
楽章構成という基本すら知らなかった。そもそも楽章とは何ぞや?
以前の知識しか持っていなかった。それでも聴いていれば何とかなる
というものである。

それでもまあ、録音したテープが擦り切れるまで(うそ)聴き続けたお
かげで、音楽の形らしきものはおぼろげながら取り込まれたようだっ
た。まあ、吸収するのも早い年齢だったのだ。

いきなり“クラシックの王道”のような曲から始めることになってし
まったわけだが、それから幾星霜……。この曲を聴くためにわざわざ
CDを引っ張り出してなどということは少ない。少ないからといって
軽んじているわけではもちろんない。それどころか、自分の中でこの
交響曲の持つ巨大で揺るぎのない構造が確固たる位置を占めているこ
とにしばしば気づかされることになる。

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