天話§新国立劇場~誰のため?~

優れた歌手の歌とオーケストラの演奏を、劇場に集った観客が楽しむ
という最低の要件すら満たしていないのが現在の日本の新国立劇場で
ある。

いかにも頭でっかちな“理事会”が自分達の都合で劇場の運営をして
いるとしか外部からは見えない。舞台を司る人達と観客という2つの
主体がなおざりにされていては、いつまで経っても次元の低いバラン
スの悪い姿としか見ることができない。

このところ新聞で報道されたとおりの合唱団の雇用契約状況だとする
と、これまた素人運営が顔を覗かせているように見えてしまう。通常
のオペラハウスの合唱団であれば、若手からベテランまでそれなりに
満遍なく人員が揃っていて、経験と力が融合することでオペラの雰囲
気を醸し出しているはずなのに、若いメンバーだけでは、そういった
味わいとかがないがしろにされていると思われてもしかたがないだろ
う。

劇場の主役は、あくまでも音楽を司る人達で、そういった人々の雇用
が不安定な状態で“質の向上”が望めるものかと思う。そして、見る
からに不要な人数の上層部が“安定雇用”と思われるのは何とも。

少なくとも、天下ってしがみついている誰かさん達のために新国立劇
場が存在しているわけではない。国のお声掛かりで様々な事業が立ち
上がっては効果のないまま消えていくものが少なくないが、どうやら
本来の事業への出資ではないところに我々の税金が消えていっている
ような気がする。

年金関連の施設が採算が取れずに閉鎖されたり売却されたり、あるい
は第3セクターが立ち行かなくなったりなど、その典型的なケースだ
ったりするのではないか。

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