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zoom RSS 憬話§このたびの旅[40]パルジファル<V>

<<   作成日時 : 2008/10/27 12:01   >>

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[承前]

今年の『パルジファル』でどうしても聴きたかったのが藤村実穂子の
クンドリーである。しかしというか、音楽祭初日に関する新聞評だが
彼女に対して“高音が不安定”だとか、かなり厳しい記述があった。

ヘルハイム演出のクンドリーだが、一幕の家政婦に始まり、二幕では
『モロッコ』のマレーネ・ディートリヒを彷彿とさせるような燕尾服
姿に変身する。そしてヘルツェライデの姿に擬してパルジファルを誘
惑するのだ。

様々な演出で舞台に立っている彼女にとっても、これほどの変容で歌
うのは相当な苦労があったと思われる。まずもってバイロイトから出
演の依頼があれば断るはずもないが、演出家がどんな舞台をつくって
いくのか、リハーサルになって初めてわかるようなものだろう。だか
らおそらく、役作りには相当の苦労をしただろうと察せられる。

それでも、我々の行った最終公演では、落ち着いた彼女らしい誠実な
歌声で安心して聴くことができたのは、ほっとしたと同時に、日本人
歌手がバイロイトでクンドリーを歌うという現場に立ち会えたことを
幸せに思ったのである。

それにしてもである。主役の3人で、パルジファルがイギリス人、グ
ルネマンツが韓国人でクンドリーが日本人というのは、ドイツ人にし
てみれば複雑な思いがあるのではと慮ってしまった。

1930年代のベルリンのキャバレーと野戦病院が交錯した魔法の花園に
君臨するのは、倒錯した女装姿のクリングゾルだが、これまた『嘆き
の天使』のマレーネ・ディートリヒのようにも思われる。花の乙女達
は、キャバレーガールでもあり看護婦でもあり、ベッドに横たわるの
は囚われた聖杯の騎士達なのだ。
                     [パルジファル<W>へ]

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