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zoom RSS 憬話§このたびの旅[17]ラインの黄金<V>

<<   作成日時 : 2008/10/03 12:03   >>

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↑敬虔な巡礼者達は、聖堂をバックに記念撮影をするのだ(嘘)

[承前]

演出家ドルストの意図は“日常の市井の中で、何かとんでもない事が
起きているのだが、人々は気づきもしない”・・・といったようなも
のだったはずだが、観ていてそのことが納得できるような舞台には、
まったくなっていなかった。

演出家からの的確な指示がなければ歌手達は動きが取れない。1年目
だけヴォータンを歌い、それ以降出演しなくなったファルク・シュト
ゥルックマンのように、過去に歌手を動かすことのできる演出家と仕
事をした人間にしてみれば、不満が鬱積したに違いないのである。昨
今はそういう歌手も増えていることは明らかなのだが。

結局、ラインの少女などが岩の上からまったく動かなかったり、他の
出演者も最小限の動きに終始して、これが演出家の考えであるとした
らと頭を抱えたくなった。この先の3演目が思いやられてしまう。

あるいは、当初演出家として予定されていた映画監督のラルス・フォ
ン・トリアーがキャンセルしていなかったら、どういう舞台になって
いただろうかとは、無い物ねだりで詮のない話でしかないが、かなり
惜しまれる“たられば”話……。

歌手もどことなく精彩がなく、一応は期待したアルベルト・ドーメン
のヴォータンもどことなく気の抜けたような声だし、一昨年の9月に
台北で聴いたハンス・ペーター・ケーニヒのパワフルな大音声も影を
潜めてしまった感があった。

という、何となく全員が“遠慮”をしてしまったかのように感じられ
た『ラインの黄金』の幕が閉じた。そんな上演に引きずられてしまっ
た観客もまた、気の抜けたような拍手でもって応えたのである。大多
数の観客は、これから3日間“こんな舞台”を観続けることに、少し
ばかり憂鬱になったことだろう。

重い足取りで劇場を出たのが20時半過ぎ。この時期の日没は20時20分
頃、まだ明るさの残っている中をひっそりとホテルに戻っていく。

かくして緑の丘の初日は暮れていったのである……。
                            [続く]

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