憬話§このたびの旅[65]ミュンヘンの美術館

[承前]

雨の日曜日である。すっかり気勢を殺がれてしまった。外は肌寒くて
緯度の高さをこういうところで思い知ることになる。ホテルの部屋に
いてもかまわないだろうが、いずれベッドメイクに入ってくるから、
しかたない出かけようと重い腰を上げた。

行き先は“渋々”のアルテピナコテークである。しとしとと雨が降る
中を人通りがほとんどない休日の街を市電の停留所に向かって歩くが
こういう日のヨーロッパの街並みは、何ともうら寂しいものがある。

歩いているとゲルトナー広場のラウンドアバウトに出た。南側の一角
には少しカジュアルな仕立てのオペラ、オペレッタ、ミュージカルを
上演する劇場がある。26年前に観た『後宮からの逃走』ではデビュー
間もないバーバラ・ボニーがブロントヒェンを歌っていた。

そういえば、この広場のベンチでホカ弁を食べていた人もいたなあと
思い出して劇場をバックに写したのが下の写真w

画像

停留所に近づいたらやって来る市電が見えた。小走りしてぴったりの
タイミングで乗れたのはラッキー。15分足らずで美術館到着。日曜日
なので入場料は1オイロというのもうれしい……かな。

美術の鑑賞者としては手抜きもいいところで、この美術館で見たいと
思うのはデューラーにブリューゲルといったところ。あの天井までも
届こうかというルーベンスの部屋に入ると、いきなり“ゲップ”が出
そうになって退散してしまう。

ところが、その隣だったかの小部屋に展示してあるルーベンスのデッ
サンを見ると、これが実に見事なものであのゴッテリとした油絵には
食傷はするが、こういった下書きの筆致の勢いはすばらしくて、こう
いうのなら――入手するなど不可能だが――自宅の壁に一枚飾るって
のもと思わせるのだ。

階上のメイン展示室が内装工事中のようで、展示物の位置が変更され
ていて、デューラーの『四人の使徒』を探すのに苦労したが、ようや
く見つけ出して正面に立った。デューラーの強い意志……。

あれもこれもと詰め込んで見るのは疲れるので、こんなところであっ
さりと美術鑑賞は終了。せいぜい1時間半てなものである。
                            [続く]

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この記事へのコメント

2008年11月19日 18:11
「佐野」さんはお弁当部門を閉鎖してしまいましたので残念でしたね。まあ、この日のお天気は良くなかったようですからどちらにしてもベンチに座って.....というわけにはいかなかったようですが。(^_^;)

わたしも美術館は苦手です。非常に疲れます。
2008年11月19日 21:12
というわけでミュンヘンでホカ弁を
というのは叶わずで残念でしたが、
その分今回は気合を入れたのです。
そのお話は近いうちにw

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