週話§土日短信~藤山直美で年忘れ~

藤山直美全4演目主演大奮闘公演“年忘れ喜劇祭り”に行ってきた。
観たのは夜の部の2演目……といっても、40分の休憩を挟んで『大阪
ぎらい物語』が1時間20分と『お祭り提灯』が1時間というもの。

ああ、藤山直美は天性の喜劇役者なのだった。彼女の演技に、客席も
他の役者も収斂していくのである。笑わせるということがどういうこ
となのかが体でわかっているというのはこのことだろう。そういう意
味では相棒格の中村勘三郎だが、彼女の足元にも及ばないなあと思っ
たのだった。

彼女は“彼女だけが芯”であっても求心力を持ち得るが、勘三郎はそ
の域までは達していないのだなあと思う。だからそのことがわかって
いる勘三郎は、彼女と共演する機会を積極的に設けているのだろう。

『大阪ぎらい物語』のクライマックスあたりで、藤山寛美時代からの
小島慶四郎が彼女の演技に“笑って”しまい、芝居が続かなくなった
時、ぽつんと「お父さんにそっくりや」と言ったのが印象的だった。
3階席から双眼鏡で見ていた瞬間、一度も実演を観たことのない藤山
寛美がそこにいるような気がしたのである。

笑っていたのは客席だけではない。舞台上の役者までが“こらえきれ
ず”という連続だったのだ。

いやあ、そんな小理屈のような話はともかく、黙って座ればばっちり
笑えることは保証するので、御用と御急ぎでない方は新橋演舞場まで
行ってみてくだされ。

【去年の今日】嗚話§“orz”~おるつ君こんにちは~

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