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zoom RSS 鍵話§ティル・フェルナー〜行間の喪失〜T

<<   作成日時 : 2008/12/25 12:01   >>

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祝日の火曜日にトッパンホール――飯田橋駅から歩くこと10分――で
聴いて、がっかりして帰宅。ウィーン生まれのティル・フェルナーは
1972年生まれだから、アンスネスより2歳年下でほぼ同世代である。

ベートーヴェンのピアノソナタ全曲シリーズの第1回で、プログラム
は……

第16番 G-Dur op.31-1
第17番 D-moll op.31-2 《テンペスト》

――休憩――

第18番 Es-Dur op.31-3
第28番 A-Dur op.101


何年か前の彼のリサイタルの曲目に、バッハのインヴェンション全曲
というのがあって、なかなかに意欲的だと少しばかり興味を持ってい
たタイミングでベートーヴェンのソナタだったので出かけたのだ。

それで、ちょっとというかかなり“乱暴”と言いたくなるような演奏
で、狭いホールでの大音響に耳が痛くなるくらいだった。聴きながら
思ったのは、花形歌舞伎と大歌舞伎の違いとでもいったものか。

例えば一昨年あたりに観た『勧進帳』における海老蔵の弁慶である。
弁慶を演じているベテラン役者が、長年の積み重ねで表現を研ぎ澄ま
せていくのに比べると、海老蔵の弁慶は滑稽なまでに極端かつ乱暴で
やり過ぎとも思える眼や歯の剥きようは、客席が笑うほどに奇矯なも
のである……それはいずれ積み重ねで直されるものだろうか。

それと似たようなことがフェルナーの演奏にも感じられた。強弱が極
端でアクセントもオーバーにつけるから、ニュアンスにも乏しくなっ
てしまう。何より音楽に瑞々しさが欠落しているのだ。

まだ若手だと言うかも知れないが、アンスネスのように豊かな表現言
語を会得した人間だっているのだ。そう考えると、現時点での演奏の
ビジョンのなさに驚かされる。
                            [続く]

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