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zoom RSS 維話§初めてのウィーン[21]名残のフィガロ

<<   作成日時 : 2009/02/25 08:19   >>

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[承前]

フランクフルトの駅前ホテルにチェックインしたところで、演奏会か
何かやっていないかと尋ねると、フロントマンがオペラの予定表を見
せてくれた。それでこの日の公演をと眺めると、何とタイミングのい
いことに『フィガロの結婚』なのである。

当日売りがあればよいがと思いながら、10分ほどの道のりを市立劇場
まで行った。運良く2階席だか3階席のチケットを買うことができ、
ひと安心と、劇場近くに中華料理屋を見つけて夕食にした。

開場時間に合わせて再び劇場へ。中に入って薄っぺらいプログラムを
買って出演する歌手をチェックしたが、もちろん誰一人として知らな
い。指揮のラルフ・ヴァイケルトは、聴いたことこそなかったものの
日本にも来ていたので名前だけは知っていた。それよりも当時の舞台
演出をしたのが指揮者のクリストフ・フォン・ドホナーニだというこ
とに驚いたのだった。

Die Hochzeit des Figaro

と、イタリア語ではなくドイツ語のタイトルになっていた理由が後に
なってわかったのだ。イタリア語ではなく、ドイツ語の歌詞で歌われ
たのである。

初心者のくせに『フィガロ』だけは一生懸命に予習したものだから、
オペラが始まって最初にフィガロが歌いだす歌詞が、イタリア語だと
“チンクェ”“ディエチ”というのを、ドイツ語の“フュンフ(5)”
“ツェーン(10)”と歌われていたのを聴いてびっくりした。

幕が開くと、シンプルで何の飾りもない箱そのものの舞台だった。お
そらく“その先”を目指すであろう若い歌手達が元気に動き回るのは
新鮮でおもしろかった。途中にハプニングがあって、伯爵の目を逃れ
たケルビーノの隠れた椅子が壊れてしまい、シーツの中でモゾモゾと
動くケルビーノをスザンナ役の歌手が気にする表情がおかしかった。

終幕で、フィガロがスザンナに裏切られたと勘違いして歌うアリアだ
が、ピットと客席を隔てる“壁”の上を渡り歩きながら歌ったのには
驚かされた。オーケストラは時折変な音を出してはいたが、ともかく
ウィーンで観た舞台との違いが興味深く、けっこう楽しんでしまった
のである。

終演後、凍てつくフランクフルトの街をホテルに戻ったのだが、この
10日間で、ヨーロッパの冬の寒さの厳しさを思い知ったのである。と
もかく靴の底から冷気が突き上げてくるのには、もう少し足回りはし
っかりせねばと反省したのだった。
                            [続く]

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