噺話§五月大歌舞伎~新橋演舞場~昼の部

今にも降り出しそうな雲行きの日曜日の歌舞伎見物である。演舞場で
11時開演の昼の部っていうのは初めてのような気がする。

20分ほどの『心猿~近江のお兼』を『金閣寺』と『らくだ』の2本が
挟んで、終演が15時前というのも気楽な見物だった。座った席も3階
最後列という気楽さである。演舞場は歌舞伎座と比べても小ぶりな小
屋で、そんなせいか3階の奥からでも花道の七三がギリギリで見える
のだ。おまけに左端の席の舞台寄りの壁には花道を映すモニターまで
あるというサービスもありがたい。歌舞伎座だと3階一列目に座って
も七三は見えない。

というわけで『金閣寺』は芝雀の雪姫。高い角度から見る芝雀だが、
何とも雀右衛門に似てきたものだと感じた。吉右衛門の大膳は“悪”
の巨魁さが際立って“大きな舞台”を構築していた。

文楽の東西触れが出てきて驚いたが、雪姫が足で鼠を描く場面は人形
振りということでのお約束ということだった。こういうことも文楽を
数回観ていたおかげで知ったことだったりする。……そういえばこの
ところ文楽にご無沙汰なのである。

打って変わった『らくだ』は、肩の力もほにゃららと抜けた一時間だ
ったが、もう少し快適なテンポで演じられると江戸噺っぽくなっただ
ろうにと思う。舞台上演では落語の原作にあるサゲまでは演じられず
酒盛りの通夜の騒ぎのところでおしまい。

何、ひや? ひやでもいいからもう1杯くれ!

というところまでは行かなかったのですね。

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