呑話§旅行中のビール祭り[Ⅴ]ホフブロイ

[承前]

アウグスティナーケラーのエーデルシュトフ2リットルで、すっかり
ご機嫌になった呑み助だが、ホテルに戻って荷造りをする同居人の手
伝いをしようと試みるも、ほとんど役に立たず、ベッドへと送られて
しまった。

翌日は二日酔いなどもなくすっきりと目覚めることができ、朝食の後
は最後の市内見回りをした。すると、国立歌劇場から高級ホテルへと
歩を進めたところで、ミュンヘン在住で数年来の知り合いの老婦人が
向こうから歩いているのに偶然出くわしてしまった。我々も驚いたが
彼女もびっくり。今年は会う予定ではなかったので神の配剤に感謝し
たのだった。

……というサプライズを最後のお土産に、ミュンヘン空港まで車を走
らせ、1400km近く走ってくれた“愛車”を無事駐車場で返却し、帰着
便へのチェックインを済ませた。

画像

ボーディングパスをもらって上階を見上げると、お約束の“HB”マ
ークが見えた。腹も空いてきているので迷わずホフブロイハウスに直
進した。飛行機に乗れば晩飯だから、そんなに食べるわけにはいかな
いので、ビールを半リットルと久々に白ソーセージを一本注文した。
同居人は――洗面器はあろうかという器入り――じゃがいもスープ。

まったりと食事をしている我々の隣のテーブルに数人の日本人グルー
プ(全員男性)が座った。メニューを眺めて鳩首会談をしているが、英
語のメニューがないのでらちがあかないでいた。そこでお節介の虫が
首をもたげて、メニューの簡単な紹介をしたのだ。ビールの選び方と
せっかくだからミュンヘン風の軽く食べられるソーセージを2種類て
な具合である。

話を聞くと、某法人団体のヨーロッパ視察旅行だそうで、この先まだ
ウィーンへ飛んだりと出張が続くのだった。選んだソーセージ類とパ
ンも、そこそこ喜んでいただき――なぜか――記念撮影までしてその
場でお別れしたのだった。

これでもってミュンヘンとその周辺のビール巡りはおしまい。結局、
エルディンガーに始まり、ヴァイエンシュテファン、フランチスカー
ナ、パウラナー、アウグスティナー、ホフブロイと、曲がりなりにも
一応の成果を収めたような気がするのである。
                             [了]

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