龍話§普通の才能の人間が

芥川也寸志が書いた岩波新書の一節に、モーツァルトをさして……

天才が凡作を書くことはあり得ても

凡人が傑作を書くことはあり得ない


……という言葉があって、あまりにも印象的だったものだからずっと
覚えているのだ。

そのまさに星の屑ほども存在する“凡人”の一人としては、この言葉
に対して居直るような気持ちなどさらさらない。本当にもっともなこ
とだと、天才がものした傑作を楽しむだけである。

そりゃあもちろん、自分の内にもう少し傑作の何たるかをきっちりと
味わい楽しめる能力が備わっていてくれればとは思うこともあるが、
案じているよりはずうっと楽しんでいる気はしている。そして、これ
から先も長いこと創作物を楽しむことができるはずだと、勝手に期待
してはいるのだが。

【去年の今ごろ】憬話§このたびの旅[16]ラインの黄金<Ⅱ>

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