読話§素顔のベルリン[上]気合のほど

『素顔のベルリン~過去と未来が交錯する12のエリアガイド~』とい
うベルリンガイドブックである。書いたのはこの人で、気合の入った
一冊を楽しんだ。

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ツアーでベルリンを――ベルリンに限らないが――訪れるグループは
お仕着せの観光地を巡り、一泊もすれば次の目的地に去っていく。そ
れではベルリンはその程度の街なのか? とんでもない。一週間滞在
しても当たり前だが見落とすものばかりなのだ。そんな人達にはこの
本は必要ない。

最低でも3日とか4日と滞在してこそ、この本が意味するところを理
解できるだろう。もちろん“ガイドブック”であるから、ブランデン
ブルク門をはじめとする観光名所もきちんと記載されてはいる。

いささか写真を詰め込みすぎているかなと思わないでもないが、著者
の意気込みの表れだと思っている。それこそが彼の伝えたいことで、
読んでほしいことや行ってほしいところが満載ということなのだ。

およそ、観光客が足を踏み入れることが少ないと思われるエリアへの
目配せには注目するべきだろう。東京であれば下北沢とか三軒茶屋、
東中野といった、およそ、外国人向けのガイドブックには掲載されて
いないのと同様のエリアをふんだんに紹介しているのである。これを
“コア”と言わずして何なのであろうか。

これこそが『素顔のベルリン』の真骨頂と言えるだろう。
                            [続く]

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