読話§素顔のベルリン[中]重心は“東”

[承前]

『素顔のベルリン~過去と未来が交錯する12のエリアガイド~』につ
いて引き続き。ものした人はこちら

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さてこのガイドブックであるが、旧来のガイドブックと決定的に違う
のはエリア分けとその順序である。ありきたりのパターンとしては、
お約束のブランデンブルク門付近から始めて、すぐにクーダムあたり
に移って、さっさと記念教会あたりの写真が登場するわけである。

ところが『素顔のベルリン』は、いきなりアレキサンダー広場から歩
き始めるのだ。それでしばらくはウンター・デン・リンデンを中心に
旧東ベルリン地区が5エリア続き、エリア6に至ってようやく壁を越
えて旧西地区に入る。

だが“クーダム”を歩くのは、ようやくエリア9になってということ
なのだ。書き手がそうしたかったという理由は実によく理解できる。

……1998年に初めてベルリンを訪問した時は、KaDeWe近くのホテルに
宿泊した。その後、1999年も西地区のホテルだったが、その後2回の
ベルリン訪問ではウンター・デン・リンデン周辺のホテルに泊まった
のだった。

1999年、国会議事堂の完成直後に訪れた時には、ポツダム広場のビル
群も完成に向かいつつあり、1998年との様変わりを強烈に印象づけら
れたのだ。その時点で、ベルリンの重心はクーダム周辺からブランデ
ンブルク門を越えたという印象を強く持ったのである。

都市が変貌するようにガイドブックもまた変貌していく。だから『素
顔のベルリン』は、まさに“ベルリンの今”を我々に提示していると
言うことができるのだ。
                            [続く]

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この記事へのコメント

BerlinHbf
2009年10月17日 04:50
立派な書評を書いてくださり、どうもありがとうございます!『素顔のベルリン』のエリアガイドを東地区から始め、さらにミッテ地区を3つに分けて順番に提示したのは、ベルリンの歴史的な発展段階を重視したかったからです。歴史的な見所は東側に集中するので、統一後のベルリンの観光の重心が東側に移ったのはある意味当然のことかもしれません。でも、ツォー駅周辺などこれから大きく変わりそうですし、ベルリンは常にダイナミックに動き続けています。
HIDAMARI
2009年10月17日 10:55
わざわざコメントをありがとうございます。次のベルリン訪問がいつになるかですが『素顔のベルリン』のエリアを参考に行動範囲を広げてみようと考えています。あと一回書きますので、もう少しおつきあいください。

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