臓話§カワハギの肝

肝の類はどちらかといえば苦手の部類に入る。

いつだったか、ずいぶんと昔に結婚式の披露宴のコースでフォアグラ
が供されたことがある。隣に座っていた知り合いが、一口食べるなり
「これ、レバーですか」と聞いてきた。そりゃあ、レバーであること
は間違いないが、頭に“かなりお高い”と形容詞がつくレバーなので
あるぞと教えたことがある。

アン肝がフォアグラ並みにうまいと言うが、さすがにそこまではいか
んだろうと思うのは、うまいアン肝を食べたことがないからか……。

というわけでカワハギ(皮はぎ)の肝である。これは超!うまい。まず
もって生臭みがまったくといっていいほどない。アン肝よりうまいと
思わせるのは、生臭さがないことが大きくあずかっているのだ。

さらにその味わいであるが、それこそマグロの大トロをさらに繊細に
した仕上がりとでも言ったらいいか。だからカワハギの薄造りを注文
して、皿のはじっこに申し訳の肝がこぢんまりとあるのを見るとがっ
かりする。あれは“醤油に溶いて……”ということなのだが、そんな
ケチ臭いことをしないで、肝本体を麗々しく出していただきたいもの
である。

もっとも相当に大きいカワハギでないと、食べたと満足できるほどの
肝が取り出せるわけではない。それほどのカワハギの肝を食べたのは
後にも先にもただの一回だけだったことを思い出した。

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