白話§ノイシュヴァンシュタイン城w

山の中ですることといえば散歩くらいなものである。ところが木曜に
到着して以来、翌火曜日までは雨模様でぐずついた毎日だったのだ。

というわけで、しかたなく車を走らせることになったのは、丸一日が
まったく予定のない日曜日のこと。昼前から午後にかけて気まぐれに
アウトバーンA96を北上すると、メミンゲンというクロスジャンク
ションがある。そこを右折してフュッセン方向に進入していく。

このアウトバーンは比較的新しい路線で、フュッセンの先からオース
トリアに入り、インスブルックまで延びていくのである。我々の車は
雨雲の下に入ったり抜けてみたりを繰り返し、ジャンクションからは
40分ほどでフュッセンの出口にたどり着いた。

そこから10分ほどでフュッセンの小さな街を抜け、並木道を走ってい
く途中で、木の間越しガスの切れ目からノイシュヴァンシュタイン城
が浮かび上がっているのが見えた。城の姿を見るのは実に28年ぶり
ことになる。

さて、城への登山口付近まで来たものの、かくのごとくな天候にもか
かわらず、駐車場には多くの車が、そしておびただしい観光客の波。
例によって観光地の類に“感動しにくい”同居人は、それを見るや、
厳かに一言“引き返せ!”

息子の城と父親の城を、まさに“チラ見”でUターンして元来た道を
戻っていったのだった。前にも書いたように、あの城は外観を遠くか
ら愛でればそれでよく、わざわざ金を出して城の中のガイドツアーに
参加するのは、一度くらいはともかくも繰り返して中を見る必要など
ないのだ。

アウトバーンに戻るのに行き過ぎてしまったら、湖畔に建つミュージ
カル劇場が見えた。ルードヴィヒの悲劇を上演しているのだが、ワー
グナーが建てたバイロイトの劇場のパロディーのような外観について
は別段の感想を持つことなどもなく、さっさとUターンしてアウトバ
ーンに向かって車を走らせたのだった。

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