共話§待降節独墺旅[7]トリスタンと

[承前]

かくしてフィルハーモニーにたどり着くと、当日売りの列が伸びてい
た。何といっても、そういう時にチケットを持って入場するのは快感
である。

中に入ると、とにかく広いロビーに上着などを預けるガルデローベが
これまたあちこちにあって、さっさとダウンコートを預けてしまう。
というところに、昨日のベルリン行き飛行機で一緒だった知り合いも
やってきて、間もなく始まる『トリスタンとイゾルデ』に心を馳せる
のだ。

我らが初フィルハーモニーの席は、サントリーホールで言うところの
P席である。できれば正面から聴きたかったと思ったが、何を言って
も取れただけで幸運だと思うしかない。開演時間が近づいて、我々も
席についた。

ステージ後方に簡単な舞台が設えられているが、あくまでも演奏会形
式である。キャストは、トリスタン:ベン・ヘップナー、イゾルデ:
デボラ・ポラスキー、クルヴェナール:アルベルト・ドーメン、ブラ
ンゲーネ:マリヤナ・リポヴシェク、マルケ王:マッティ・サルミネ
ン。弦楽器の配置が変わっていて、通常第一ヴァイオリンの位置には
ヴィオラが、ヴァイオリンは中央にというもの。

そして演奏は始まった。
                            [続く]

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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