懐話§昭和三十年代~舗装道路~

[承前]

気がついたら、アスファルト舗装の質がずいぶんと向上しているのだ
った。

昭和三十年代、表の通りが掘り返されること頻繁で、それは下水道工
事だったりが半年近くも続いたような記憶である。幹線道路を半年も
閉鎖し、深い穴を掘っての工事は子供心には好奇心をくすぐるもので
もあったのだ。

ショベルカーなどなかった時代だから人が手掘りで進めていて、掘っ
た土砂を細長いベルトコンベアを何台も連ねたところに放り投げる。
その先にはダンプカーが待っていて一杯になったところで走り去って
行く。

土砂がベルトで運ばれていく様子を飽かず眺めていたという記憶であ
る。そうして地下の工事が終わったところで道路の舗装に取り掛かる
という段取りだが、これがまたやたらと時間がかかっていたように思
うのだ。

今のように100mくらいの道路だったら、一晩もあれば舗装が仕上
がってというのとは違って、より時間がかかっていたと思う。そして
一番大きな問題はアスファルトの質で、気がついたら最近のアスファ
ルト舗装が暑さのために、ぐんにゃりと粘つくなどないことに気がつ
いた。

昔のアスファルトは、硬化するまでに時間がかかっていたようだし、
とにかく夏場のぐにゃぐにゃで、舗装道路とは言いながらもあちおち
歪んだり剥げて穴ぼこができたりしていたことを思い出したのだ。

そういえば最近の都内の主要道路の舗装は、水はけをよくするような
成分を混ぜたりしている。それ以外にも様々な何やらを混ぜ込んでい
るのだろうか。いずれにしても、道路がぐんにゃりしている情景を見
ることなどなかったりする。

デコボコで石ころだらけの田舎道が舗装道路になり……という時代か
ら、舗装道路の質はけっこうな進歩を遂げていたことに気がついて、
驚くことしきりなのだ。
                            [続く]

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