絶話§マウリツィオ・ポリーニの格

一か月ほど前に観たマニュエル・ルグリとチェロ伴奏のギクシャクに
ついては、こちらを読んでいただくことにして……。まさに同等の力
を持った三者のがっぷり四つについて書いてみるつもりである。

ここで書くのは先日入手した録音についてである。マウリツィオ・ポ
リーニがブラームスのピアノ協奏曲第1番を独奏した3度目で、指揮
クリスティアン・ティーレマン、オーケストラがシュターツカペレ・
ドレスデンという文句のない組み合わせなのだ。リンクはこちらを。

実は、この協奏曲が苦手で長いこと買わずにいたのだが、ここまでダ
メ押しされてしまっては重い腰を上げざるを得なくなって、発売と同
時の購入とはまあ珍しいことでもある。

かくして聴き始めたら……これが凄いの何ので一気に聴いてしまった
のだ。ライブ録音ということもあるが、ピアノと指揮、オーケストラ
が半端でも何でもなく、ガチで火花を散らしている様子がスピーカー
から恐ろしい迫力で伝わってくるのだった。

普段、オペラや交響曲などではあざといテンポの揺らしがあって、時
に鼻白むティーレマンも、相手のいる協奏曲ということで、きっちり
ポリーニをサポートしつつ、オーケストラからパワフルな音色を引き
出していたのである。

これはもう久々の大当たりで、なるほど演奏家の格が見事に揃っての
心揺さぶる演奏として結実したのだと納得したのだ。書く順番が遅く
なってしまったが、ポリーニのピアノも見事。一昨年だったか買った
バッハの平均律を聴いてポリーニも年かなと思ったら、とんでもない
とんでもない。主役は俺だ!とでもいう強い意志の打鍵に驚かされた
のだった。

であるからして、この録音はみなさまにもお薦め申し上げたいのだ。

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