熱話§冬の鶴八~追憶してみたが~

愛用してまじめに通っていたのに、2006年ごろ惜しくも閉店しちゃっ
た神田小川町の鶴八という居酒屋は、冬がおいしかったなあ、などと
思い出したのでまとめてみよう。

うまい酒肴が目白押しとなる冬の時期は、何を注文しようか真剣に悩
むのだった。とはいえ刺身は悩むことなくカワハギで、これなくて何
の鶴八かというもの。

悩ましいのは温かい出し物で“海老芋の煮おろし”か“湯葉つくね”
のどちらにしようかと、カウンターに腰をおろしながら早くも熟慮が
始まってしまう。悩む時間の間、軽い付出し一品と竹筒に入った蜆の
味噌汁がうれしい。そして日本酒の前にヱビスの生を1杯だ。

海老芋煮おろしは、軽く素揚げした海老芋をたっぷりの大根おろしと
出汁ツユを合わせたもの。湯葉つくねは、鶏のつくね団子が3個ほど
と、巻湯葉が3個ほど。これも温かい出汁ツユでいただくのである。
余裕があるなら、そこに穴子白焼きを注文してもよかった。

メインの酒は菊正宗と賀茂鶴の特注薦被り。そこから常温の枡一合を
注いだり燗酒として出したり。好きだったのは、薦被りから中汲みし
たのを冷蔵庫で冷やして二合か二合半のガラス徳利で出してくれる。

以前の繰り返しにはなるが、二合半は“こなから”と呼ばれている。
二合では物足りないが、三合では多いという人のための、ほどよい量
という意味で、個人的にはその“こなから”がまさにぴったりの量で
あったりするのだった。

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