逃話§船長がトンズラしてはいけない!

地中海の豪華クルーズ客船が座礁し、40人近い死者と行方不明者を出
す海難事故になってしまった。

この事故で最悪であったことは、船長があっという間に船から脱出を
したということである。以下に引用するのは日本の船員法である……

在船義務(船員法第11条)船長は、やむを得ない場合を除いて、自己に
代わって船舶を指揮すべき者にその職務を委任した後でなければ、荷
物の船積及び旅客の乗込の時から荷物の陸揚及び旅客の上陸の時まで
自己の指揮する船舶を去ってはならない。


……これは、他の多くの国の法律でも同様のことが謳われていると思
われるが、このことは、はるか昔の小学生時代に聞き知った大事な義
務だと思っていたが、素人の思いや法律などどこ吹く風で、トンズラ
した船長とは、常識的に考えても恐るべきことで、おそらくは40人以
上の人間が死に至らしめられる可能性すらあったと思われる。

言うまでもなく、船長という職、資格は、なまなかな年月で得ること
は難しく、経験を積んでいくことで自らの中に義務観念が醸成されて
いくと想像するのだが、このような欠陥船長がどのようにしてできあ
がっていったのか、理解することは難しそうだ。

今回の事故は、船長一人の責任であることはもちろん、そんな船長を
雇用していた船会社の責任も免れることはないだろう。既にしてその
船会社の信用は失墜しているのである。

それにつけてもと思い出すのは3年前の2009年1月15日、ニューヨー
クのハドソン川に故障した旅客機を着水させ、一人の死者も出すこと
なかった、あの機長のことである。着水した後も、乗客と乗員全員が
避難したことを確認したところで、自分も避難したというのだ。

我々は、彼の行為が機長として当然の行動だということとは別に、短
時間の間に多くの冷静な判断を下したことを賞賛するもので、それと
3年後のイタリア人船長の、およそ船長とは思えない行動を情けなく
思うのである。

そんな船長の言い訳に満ち満ちた通信記録の日本語訳はこちら

【去年の今日】戎話§ヱビスビール命!

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