残話§ぼくに炎の戦車を~赤坂ACT~

同居人が『焼肉ドラゴン』を観ておもしろかったというので、赤坂の
劇場で上演していた『ぼくに炎の戦車を』の最終日公演を観てきた。
チョン・ウィシン脚本&演出による舞台である。

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主演はスマップの草彅剛、韓流スターのチャ・スンウォン、それに広
末涼子、香川照之といった面々、その他によって繰り広げられた舞台
は、大正末期の朝鮮。男性ばかりの“男寺党”という門付で生きてい
く放浪の芸人と、朝鮮陶芸に魅せられた日本人教師、飲食店を経営し
ている怪しい日朝混血の男を中心にストーリーが展開するのだ。

で、残念ながらチョン・ウィシン脚本が未消化。一幕と二幕、それぞ
れ90分ほどの冗長な舞台に疲れてしまった。3つほどの要素をまとめ
きれなかったことと、主役二人の弱さが大きな理由。さらにもったい
ないことに、香川照之が生かされていなかったではないか。

草彅もチャ・スンウォンも主役としてはあまりに弱すぎた。おかげで
かストーリーが展開していかない(脚本も悪い)。サイド・ストーリー
のようなもののほうが印象的だったり、脇役のほうが芸達者で目立っ
てしまってはいけないだろう。

客席はそれぞれの御贔屓で埋まっていた。贔屓とは、げにありがたい
ものであるが、それだけで良しというわけにはいかない……アイドル
目当てではなく、芝居の内容がどうであったかと考える人間だって、
少数であるにしてもいるのである。

なお、劇中で草彅剛語る“ぼくに炎の戦車を”はウィリアム・ブレイ
クが書いた『エルサレム』という詩の中の一節である。この詩にチャ
ールズ・ヒューバート・パリーが美しい曲を付けているので聴いてく
ださい。


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