踊話§壽 初春大歌舞伎~新橋演舞場~

正月歌舞伎らしく華やいだ雰囲気の昼の部に行ってきた。

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『寿式三番叟』に始まり、菅原伝授手習鑑『車引』から『戻橋』と続
いて、最後に『傾城反魂香』と、肩の凝らない4演目4時間である。

梅玉、魁春、進之介、我當によって踊られた『三番叟』は、縁起物と
いうことで“景色”を愛でたというところ。気になったのは我當の足
の衰えである。舞台に滞在している時間自体はそう長くないのだが、
大丈夫だろうか。息子である進之介もまた踊りとは感じられず……。

『車引』は、三津五郎の梅王丸、七之助の桜丸を堪能した。踊りの名
手である三津五郎の見得の切れのよさ、美しさ。ぐっと腰を落とした
力強さは無類、これぞ荒事のお手本である。対する七之助の桜丸は、
ともするとなよなよっとしがちなところを抑え、和事の中にきりりと
した要素が強調されていると感じた。

3つ目、初めて観る『戻橋』は、鬼女物である。10年くらい前に玉三
郎がやった『茨木』と似たような構成で、どちらも渡辺綱が相手をす
るし、片腕を斬られてしまうので混乱しそうになった。幕切れには、
小百合を務めた福助の宙乗りもあって賑やかなものである。

『傾城反魂香』は吉右衛門の又平が見事。不器用な又平の様子を、き
っぱり大きく演じて見せたのだ。芝雀のおとくも、円熟の吉右衛門に
伍しての世話女房ぶり。さらに歌六の土佐将監、東蔵の北の方とアン
サンブルも上々で、一幕をじっくりと堪能することができた。

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