仏話§シュトゥットガルト放送響[上]

レ・ヴァン・フランセでピアノを弾いているエリック・ルサージュが
独奏するラヴェルの協奏曲が聴きたくてチケットを買ったら、首席指
揮者のステファヌ・ドゥネーヴが売り出し中なう!だと知ったのだ。

画像

ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』 Op.9
ラヴェル:ピアノ協奏曲 G-Dur

ラヴェル:マ・メール・ロワ
ドビュッシー:海


ドイツのオーケストラがオール・フランス物でコンサートをすると、
固定観念に縛られたクラシック・ファンは敬遠するようで、この日の
入りは5割から6割程度。2階席中央の後ろ半分は、ほぼ空席だが、
えてして、こういうコンサートに来る人間は“目が高い”はずで……
自分は違うけれど、げふんげふん。

名刺代わりのベルリオーズは痛快な演奏。ドゥネーヴもまた、オケを
よく鳴らしてくれた。メンバーの技量も高く、安心して聴いていられ
る……いわゆる“つかみはオッケー!”というやつです。

2曲目がお楽しみの協奏曲。ルサージュは長身を窮屈そうに折り曲げ
るようにしてピアノを弾くが、背後から見ていると大きな手が楽々と
鍵盤をつかんで、精妙なラヴェルを紡ぎだす。ジャズっぽい響きも、
スペインらしい響きも聴こえてきてたりするが、音楽の凝縮度は高い
ものがある。

アンコールはラヴェルの小品でもという予想が大きく外れて、モーツ
ァルトのピアノ・ソナタ第10番から2楽章が……これがまたデリカシ
ーに富んでいて、望外なはぐらかしなのだった。それにしても、全曲
聴きたくなってしまったのには困ったが。

ちなみに、この協奏曲と最後のドビュッシーを実演で聴くのは初めて
なのだった。というところで休憩を。
                            [続く]

《オーケストラのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック