街話§J街通信[87]神保町の魅力

[承前]

一時間のテレビ番組で神保町が紹介されたのは先月末のこと。7月に
入ったところで、昼時の界隈は予想通り、番組に登場した店に行列が
できていた。

いつでも昼前から行列ができているこの店は、普段の5割増といって
も大げさでないくらいに人が並んでいた。どうして多いことがわかる
のかといえば、通常時には並ぶことの少ない女性客が多めにというあ
たりでテレビの影響かなとわかるのである。

まさに都心である霞が関、日比谷、大手町からも直近であるにもかか
わらず、おびただしい数の古書店を中心としたカルチャーゾーンを形
成しつつ、直近にスキー用品、登山用品、スポーツ用品の店が点在、
そして飲食店も充実という、都心にありながら下世話で親しみやすい
エリアというのは、そうあちこちにあるものではなかろう。

そんな街を行き来して35年。はたして神保町という街を十全に享受で
きているかといえば、その自信はない。自信を持って言えることは、
35年にわたって“神保町の空気”を吸い続けることができたという、
まさに幸福なことである。

もとより文学部の出身で、先に挙げたエリアで行政だの経済の仕事に
携わる可能性などゼロも同然の身にすれば、少し背伸びはするものの
身の丈に合った街ということができるのだ。
                            [続く]

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