惜話§夏季休暇~チョコレート!~

[承前]

無事に銅版画の都市図も手に入れると、ベルリン滞在最終日の予定は
20時開演のコンサートのみとなってしまった。

まだ陽の高いニコライ地区から、さてとホテルへの戻り道を考えてみ
たが、適当な交通機関が手近にない。歩いても20分くらいだろうから
と、シュプレー河に沿って共和国宮殿再建工事現場の横を通り、ジャ
ンダルメン広場方向を目指すのである。

↓まだまだ基礎工事の最中。奥はベルリン大聖堂
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で、広場を越えた先、十字路の角の店が眼に入った。かねてよりカフ
ェに行こうと思い定めていた“ベルリンで一番おいしい”チョコレー
ト専門店Fassbender & Rauschにまっしぐら之圖なのだ。

専用エレベーターで2階に上がると、物腰丁寧で自信に溢れた店員に
よって席に案内される。同居人が注文したのは、ホワイトチョコレー
トと木苺のタルト。

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自分が注文したのは涼やかなアイス・チョコレートドリンクである。

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これがうまい!カカオの滑らかさが絶妙で、冷たい液体がするすると
喉の奥に消えていく。日頃、ドイツの料理に厳しい評価を下し続けて
いるが、時折、かくも繊細な存在が姿を現して我々を驚かせるのだ。

日本のチョコレートだって十分においしいと思うが、上質なカカオは
まずもってヨーロッパへと向かうはずで、それを彼らが丁寧にチョコ
レートとして客に出すのは、なるほどもっともなことである。

十分に満足して勘定を済ませ、ホールでエレベーターを待っていると
我々の眼に、チョコレートが蛇口から滔々と流れ落ちている光景が映
ったのだ。眼を丸くして見ていると店員が“お試しになりますか?”
と、小さじでチョコレートをすくって食べさせてくれたのだが、これ
また悔しくなるほどのうまさ。

店員に話を聞くと、流し放題ではなく循環させているというのだが、
何という贅沢だろうと感心しつつ1階の広大なチョコレート売り場で
迷いに迷いつつおみやげを買ったのはもちろんのことである。
                            [続く]

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