愉話§呑藝春秋[10]紹興酒の件

[承前]

どうってこのとない中華定食屋にだって紹興酒は置かれているので、
生ビールの後に二合ほど呑んだりする。アルコール度数は、日本酒と
ほぼ同じだろうか。

最初に呑んだのは、就職して2年目くらいだっただろうか。この時は
見事に悪酔いをした。大した量を呑んだわけでもなかったのに理由は
不明。それで苦手意識を持ってしまい、長いブランクの後に再デビュ
ーしたのはいつ頃のことだったか、ちょっと記憶にない。

その後は、過去の悪酔いが嘘のように問題なく呑めるようになってい
たのだ。

さて、紹興酒の呑み方である。もっぱら常温でということにしている
のだが、夏場だったらロックで冷たいのもいい。今の時期だと温かく
したのをくいっと呑んでいる。このあたりは、日本酒以上に呑み方が
柔軟であるような気がしないでもない。

もっとも中国では紹興酒に燗はつけないようで、日本で広まった呑み
方ということだろうか。

それにもう一つ、これは諸説紛々で何が正しいのかはわからないが、
砂糖やザラメ、氷砂糖を入れて呑むというのが日本では一般的になっ
ているが、これも入れないほうが正しいという話である。

昔々に聞いた話では、かつて自家用で紹興酒を作っていて、なかなか
品質が一定しなかったので「我が家の紹興酒は、砂糖なりと入れない
と呑めないのですよ」と、半ば謙遜の意味を込めての氷砂糖だったと
いうのだ。

それで謙遜しているのだから、真に受けて入れようものなら野暮だと
いう……そんな話なのだったが、これも本当なのかどうかわからぬ。
                            [続く]

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