新話§多摩ニュータウンに住み続ける

都会は嫌いではない。だが、都会の真っ只中に住みたいかというと、
それはちょっと……と思うのである。

かれこれ、東京の西部エリアの新興開発地域である多摩ニュータウン
に住まいを定めて30年を超えてしまった。もちろん、人生の半分以上
はニュータウンの中にいて、一番長く暮らし続けているわけなのだ。

環境については申し分ない。どこを歩いても、どこを車で走っても、
樹木がよく育っていて、緑の季節に外に出るのは気持ちがいい。そん
な環境のゆえに住み続けることができるのである。

不満がないわけではない。駅まで徒歩15分が、多摩丘陵のけっこうな
山坂を歩く必要があったりして、最近はヘタレているのでコミュニテ
ィバスの世話になりっぱなしという、お恥ずかしい状況が……。

新宿まで特急で30分、会社までは自宅から1時間とちょっと。やや遠
いかなと思わないでもなく、調布あたりに引っ越せたら、などという
可能性をちょこっと探ってみもしたが、会社との距離感はこれくらい
あったほうがいいのだという内なる声に従って今日まで来たのだ。

それに今さらながらだが、駅を降りたところで軽く1杯呑んでという
立ち呑みでもいいからカジュアルな居酒屋でもあってくれればなあと
……そんなわがままを言うのも定年になればおしまいということか。

建物の老朽化と住人の高齢化という問題を内包しつつ、実はまだ計画
人口に達してはおらず、気がつけばかつてあった空き地に民間マンシ
ョンが建設され続けているエリアなのである。

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