虚話§情熱大陸という超インフレ番組

テレビ番組が権威付けにならないという格好の例が『情熱大陸』なる
人物紹介ドキュメンタリーである。もっとも、もう数年以上見てはい
ないので、かつての話ということにしておく。

我が家には“情熱大陸枠”という評価基準があって、あの番組に登場
した時点でアウト!ということになっているのだ。数少ない例外は別
にして、スポットライトを当てられた人物は9割以上がインフレ的に
過剰な賛辞に塗れての番組構成がお約束なのだ。

本人の中身が薄ければ薄いほどに、ナレーションの装飾はいや増しに
増していき、単なるコンクールの入賞者レベルが、有望な天才音楽家
に仕立て上げられるという仕掛けである。

これで少なからぬ視聴者はコロリと騙されるという、安上がりな番組
の一丁上がり。エピソードの積み重ねで芸術家を捏造できるのなら、
無責任なものではないか。

まあ、似たような番組を某公共放送局も制作していたりして、こうな
ると、どうやって貼られたレッテルを吟味していったらいいものかと
考え込んでしまう。

が、それは長い人生の中で培ってきた、頼りないとはいえど“勘”の
ようなものが働いて、その手のプロモートには乗らないで済んでいる
ようではある。

芸術家とはいえ商売である。拡げた大風呂敷の中身に騙されないよう
な眼を各自が養っていってほしいものである。

……ということを書いている自らだって、徒手空拳で趣味の音楽を聴
いているわけではない。何らかの手がかりを頼りに試してみるわけだ
が、貼られたラベルを読みこなしているかどうかは……わからない。

《クラシックのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック