遣話§テンパる~変化する日本語~

言葉は絶えず変化するものだと思っているので、過去は正しかったと
か、辞書的に正しかった用法が誤用に駆逐されることなど珍しくはな
いと……これはしかたがないことだと割り切るしかない。

文化庁がこんな調査をしていて、それが先ごろ発表された。あれこれ
御託を並べるよりは、表を2点貼り付けておくことにする。

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まずは、電子レンジを“チンする”とか仕事を“サボる”という言葉
を使ったという人の比率が90%だということはうなずけるにしても、
サボるを使ったことのない人が15%ちかくいるというのは不思議なこ
とだと思ってしまう。あるいは、若い年齢層では使われていないかも
と想像してみた。

逆に告白するの略である“告る”だが、三十代以降では使われてはい
ないと思われる。なので、年齢分布がどうなっているのか知りたい。

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もう一つの表は慣用句について、正しい用法を使っている率と誤用し
ている率を並べてみたものである……“他山の石”や“天地無用”あ
たりは正しく使っているものの“やぶさかでない”あるいは“まんじ
りともせず”は使い方がかなり怪しくなっている。極めつけは“煮詰
まる”で、完全に誤用しているのである。

最近は“煮詰まった”結果“パニクる”状況をして、麻雀用語である
“テンパる”という表現を使う人間が増えているように思う。麻雀の
場合は、あと一歩で上がるという肯定的な状況なのだが、一般用語に
おいては“行き着くところに至った”という意味合いに切迫感を持た
せるつもりでテンパったという表現になったのだろう。

こうして、日本語だけに限らず言語という物は、日々変化する生き物
のような存在として我々に君臨しているが、その結果として、一つの
慣用句を使っても、使った人と受け留めた人が違う理解をするという
問題もまた現実問題として存在するのである。

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