街話§神保巷塵[13]神保町の木枯し一号

[承前]

今週月曜日の夜“木枯し一号”が東京を吹き抜けて行った。その日は
吉田健一のトークショーに、ついつい気分が乗って午前様をしたが、
その時、巷の風の冷たかったことを思い出した。

“春一番”は、立春から春分の間に吹く強い南風だと決まっているが
木枯し一号は“10月半ばから11月末にかけて西高東低の冬型の気圧配
置になった時に吹く、北寄りで風速8メートル以上の風”という条件
が付けられている。

去年より2週間も早い到来だから、このまま推移すると11月に入った
ら、そこそこの寒さになるような気がしないでもない……ということ
は東京に木枯し一号が吹くのは、古本まつりが終わってからというの
が、例年の相場ということになるのだろう。

水曜日までは上々の天気で古本まつりが催されている。人出もそれな
りで、毎回言っていることだが“それなら月に一度くらいは来てくだ
さい”と思ってしまうのだが。

人は、祭りという触れ込みに惹かれて集まってくることは間違いない
のだけれど“ハレ”だけではなく、日常の神保町の姿も味わってもら
えればというのが、神保町住民の末席に位置している人間のささやか
な願いなのである。
                            [続く]

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