勢話§笑う門には福来たる~新橋演舞場~

日曜日、新橋演舞場の『笑う門には福来たる~女興行師吉本せい~』
を観てきた。

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吉本興業を起こした吉本せいを“松竹新喜劇”所縁の藤山直美が演じ
るというのもまた企画である。チラシにはもちろん“協力吉本興業”
あって、これもまた興味深いものがあったりする。

でまあ“実録物”であるから喜劇味は薄く、東京のお客さんにはつか
みようがなかったのではと感じたのだった。藤山直美の主演だから、
笑いが満載ではと思った人にとっては拍子抜けだったかもしれない。

相当に大雑把にではあるが、吉本興業の来し方を把握していたことも
あって、例えば当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった桂春団治を口説き落
として、吉本傘下の寄席に出演させる件のあたりは、いかにもである
と思ったりもした。

もちろん芝居であるから、史実のドロドロした部分は和らげられては
いる……明治から大正、昭和の興行社会がそんな微温湯的なものでは
なく、博打的でもあり、やくざとの絡みだって半端ないものが存在し
ていたわけで、実際は相当にえげつないあれやこれやがあったのだ。

史実に沿っての芝居だからか、脚本としてはいささか物足りない部分
もあり、せいの息子で24歳で死んだ穎右とブギウギの笠置シヅ子との
エピソードなど、もう少しふくらませてもよかったのではないか。

いつもより客席が静かだったのは、例えば“松竹新喜劇に客が流れて
いきよる……”みたいな台詞で笑いが出なかった――3階席で笑った
と思われるのは我々と隣の男性くらい
――ことからも理解できる……
やはり吉本新喜劇が東京になかなか定着しない一端を見たようだ。

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