雅話§百人一首考[47]~やへむぐら~

[承前]

恵慶法師(えぎょうほうし)

八重葎 しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり


下七七「人こそ見えね秋は来にけり」ばかりが頭の中に入っていて、
だから上五七五を覚えていなかったという体たらくである。

立秋に入ったタイミングで“秋は来にけり”の一首が登場したのは、
このところ恋歌が続いていたので、何がなし目に爽やかと映って見え
るのだ。

さて、立秋という声を聞いてお天道様も気が緩んだのか、ほんの少し
ばかり気温が下がり目になっている。月曜日は台風の雲が東京あたり
に雨を降らせて、おかげでしのぎやすい日となってくれたのだった。

こうして目に見えたり、気がつかないところで秋の気配が忍び寄って
きている……平安の世も21世紀も感じるところは似たようなものだと
いうことである。
                            [続く]

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