雅話§百人一首考[48]~かぜをいたみ~

[承前]

源重之(みなもとのしげゆき)

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけて物を 思ふころかな


また恋歌かと思いながら調べてみたら、大雑把に43首あると知った。
うーん……どうやら、恋の歌だと知らずに読んでいた作品も多数あっ
たということなのだな。

で、この歌の主は“自分だけが砕け散るような片思い”ばかりをして
いるらしく、華麗に突撃しては自爆ばかりしているようなのである。

世の中、恋愛上手がそれほどたくさんいるとは思われず、たいていは
こんな感じで砕け散るか、ぐずぐずしてばかりで告白すらできないで
いるという不器用ぞろいだろう。

そういえば、これまでの連載中に読んだ歌のほとんどが、言い訳とか
愚痴に終始しているように思えてしまうから、その昔も“恋の歩留ま
り”は芳しくなかったと窺い知れるのだ。
                            [続く]

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