雅話§百人一首考[74]~うかりける~

[承前]

源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)

憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを


やれやれ、あと四分の一というところまでたどり着いた。それにして
も、百人一首でこれほど目にした歌があったとは思わなかったという
のが、週に2回の文章に現れていることと思う。

朝臣くんの彼女は“ツンデレ”なんだそうで、あれこれ手練手管を使
っても、なかなか自分になびいてくれない。だから長谷観音様にお祈
りしたのに、強くなったのは初瀬の山おろしで、そんなこと祈ってな
いんですが……と、踏んだり蹴ったりなご様子である。

人間、何をやってもうまくいかないときはいかないもので、そうなる
と神様に見放された気分になるのは、今の世とは比べものにならない
レベルなのだろうと同情したくなってしまう。

はてさて、その後の朝臣くんの首尾がうまくいったものかどうか、知
るすべがないのは残念である。
                            [続く]

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