週話§土曜草々~十八世中村勘三郎~
今年も12月5日が巡ってきた……十八世中村勘三郎の逝去から3年。
そしてモーツァルト224回目の命日でもある。
10日前、三島由紀夫の命日の時には、もしも長生きしていたらなどと
考えることは意味がない……というようなことを書いたが、勘三郎に
ついては2001年から10年ちょっと、彼が高みへと昇っていく様子を目
のあたりにしたことで、先々の可能性も見えてきたのだった。
だからことさらに彼の六十代、七十代の舞台がどうなっていっただろ
うと今でも想像をめぐらしてしまう自分たちがいる。還暦で今年の誕
生日を迎えたはずの勘三郎は、生きていれば疾走し続けたそれまでの
役者人生から、少しばかりギアチェンジして円熟への道を歩んだと想
像することはできる。
勘三郎自身も様々な考えを持っていて、年齢を重ねながら、一つ一つ
実現していったに違いない。彼が常々口にしていたこととして、還暦
の年に『助六』を演じるというのがあった。成田屋團十郎とは違って
少し丸みを帯びた容貌から、愛敬がこぼれはじめるような助六を見せ
てくれたのではと、どうしても自分より一歳年若い、卓越した役者を
惜しむことになってしまうのだ。
《歌舞伎のトピックス一覧》
そしてモーツァルト224回目の命日でもある。
10日前、三島由紀夫の命日の時には、もしも長生きしていたらなどと
考えることは意味がない……というようなことを書いたが、勘三郎に
ついては2001年から10年ちょっと、彼が高みへと昇っていく様子を目
のあたりにしたことで、先々の可能性も見えてきたのだった。
だからことさらに彼の六十代、七十代の舞台がどうなっていっただろ
うと今でも想像をめぐらしてしまう自分たちがいる。還暦で今年の誕
生日を迎えたはずの勘三郎は、生きていれば疾走し続けたそれまでの
役者人生から、少しばかりギアチェンジして円熟への道を歩んだと想
像することはできる。
勘三郎自身も様々な考えを持っていて、年齢を重ねながら、一つ一つ
実現していったに違いない。彼が常々口にしていたこととして、還暦
の年に『助六』を演じるというのがあった。成田屋團十郎とは違って
少し丸みを帯びた容貌から、愛敬がこぼれはじめるような助六を見せ
てくれたのではと、どうしても自分より一歳年若い、卓越した役者を
惜しむことになってしまうのだ。
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