雅話§百人一首考[90]~みせばやな~

[承前]

殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
ぬれにぞぬれし 色はかはらず


ここにきて、女性からの強烈な恋歌が立て続けである。百人一首の、
特に後半は完全に手薄だったから、こんな歌が何首もあるとは思って
もいなかった。

それにしても小倉百人一首の選者である藤原定家だが、特に恋の歌に
関しては、どんな顔をして選の作業に携わっていたのだろうと思う。

大雑把に百人一首の中にあって、男性の恋歌は何がなし気弱というか
ロマンチックであるのに対し、女性の恋歌のほとんどが“攻めの歌”
として読めるような気がするのであるが、これも定家が“意図”して
選んだということは考えられるだろうか。
                            [続く]

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