街話§神保巷塵[32]神保町という街(町)

[承前]

前にも書いたような気はするが……たぶんそうなるだろうと思ってい
たら、退職後もしばしば神保町に足を運んでいる自分がいたのだ。

これがたとえば大手町や霞が関、日比谷といった官庁&オフィス街に
仕事場があったら、定年後も足を運ぶだろうかと思う。そういったと
ころで仕事をしていた人たちが退社後に呑む場所は職場とは別の、例
えば新橋のような呑み屋街に繰り込むわけである。

それに比べると神保町は“職呑隣接”だから、会社を出てふらふらと
5分も歩かないうちに、なじみの呑み屋に出くわし、ついふらふらと
しけ込んでしまう。そんな店が10軒以上あるから、週1回ふらふらと
呑みに入っても、3か月は違う店で呑むことができるのだ。

とはいっても中には高めお勘定の店もあって、そんな店においそれと
通えるものでもないので、ローテーションはおのずと短めになって、
月一で同じ店に落ち着くことになってしまう

町内の人間が「神保町は……観光地ですから~」と言うのを聞いたこ
とがあって、それもまたまんざら間違っているわけではないと思った
ことがある。

まあ、古本を目当てに神保町に来る人たちが観光客なのかどうか、判
断の分かれるところだとは思うが、外からの訪問者が少なからずある
という意味では観光地という表現で合っているのかもしれない。

週2回の都営新宿線を使っての出勤のうち、毎週火曜日は寄り道をす
るという取り決めができたので、大手を振って神保町などなどで呑ん
で帰る……それもまた一つのアクセントになってくれるだろう。
                            [続く]

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