移話§腐草為蛍~七十二候~芒種

芒種の次候“腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)”である。

つつじの盛りが過ぎたら、アジサイが主役として浮上してきた。いか
にも、梅雨の時節に合った雰囲気を醸し出す花の様子ではないか。

色も淡彩の水色や薄紫というのもまた好ましいものがある。大きな花
片は額(萼ではない)と呼ばれるもので、本当の花弁は額の中心近くに
ほんの小さな存在としてあるのみなのだ。

そんな額が集まった一つの塊だけで、十分に小さな花束として完結で
きてしまうくらい存在感はあるが、だからといって強い自己主張など
はない。

井の頭線東松原駅の線路沿いにはアジサイの小群落があって、乗客の
眼を癒してくれるのは、ひとえに花の優しい色のゆえである。鬱陶し
い湿った空気の中、一服の清涼剤をしばし楽しんでおきたい。

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