輪話§疑惑のチャンピオン~ドーピング~

先週の月曜日に『疑惑のチャンピオン』という映画を観てきた。原題
は“THE PROGRAM”で、違法ドーピングの手順を意味するものだ。



ツール・ド・フランスに参戦し、1999年から2005年までツール七連覇
を達成しながらドーピングが発覚してすべての記録が抹消されたアメ
リカ人サイクリストであるランス・アームストロングをモデルにした
実話映画である。

1985年頃からツール・ド・フランスに興味を持ったものの、アームス
トロングが連覇を重ねていたあたりは、日本での中継放送が衛星チャ
ンネルになっていたりして、少しばかり遠ざかっていたのだった。

そして彼が4連覇したあたりから、ドーピングしているのではないか
という漠然とした疑念が浮かんできたことで、ツール・ド・フランス
への興味が薄れてしまったのだ。

1996年、アームストロングは精巣がんに侵されていることで、選手生
活を一時中断したが、奇跡的に回復し復帰するにあたって、イタリア
人医師でドーピングに詳しいミケーレ・フェラーリからドーピングの
“プログラム”の指導を受け、その後の脅威的な活躍に繋がるのであ
る。

そうしたあたりをこの映画は巧みに描写して見せる……ツールで連勝
を重ねていくことで“アームストロングの権力”は強大化し、彼への
疑惑を抱いたスポーツ記者を孤立させていくのだ。

結末はもちろんアームストロングがドーピングを認めて、すべての記
録や勝利が抹消されることになったわけだが、そうなる一端を担った
のが、同じくアメリカ人選手のフロイド・ランディスだった。

映画の中でランディスが、アーミッシュの社会に生まれ育った様子が
描写されていたと見えたのだが、正確にはアーミッシュではなく、彼
は“メノナイト”という宗派に属している。ちなみにアーミッシュは
メノナイトからの分派ということのようだ。

様々な音楽が流れて、ドラマとのマッチングもよかった。サイモンと
ガーファンクルの『ミセス・ロビンソン』もそんな一曲だったが、象
徴的な音楽としてヴィヴァルディの『グロリア』がロック風アレンジ
をされて繰り返し流された……グロリアとは“栄光”を意味する。



追記:びっくりしたのは、ダスティン・ホフマンが保険代理人の役で
出演していたことだったが『ミセス・ロビンソン』が使われたのは、
そんなところからのことだろうかとつまらぬ想像をした。

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