転話§ラインの黄金~ドレスデン~

というわけでシュターツカペレ・ドレスデン(SKD)の演奏、クリス
ティアン・ティーレマンの指揮で『ラインの黄金』演奏会形式を聴い
てきた。サントリーホール、16時5分~18時35分。

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ヴォータン:ミヒャエル・フォレ
フリッカ:藤村実穂子
フライア:レギーナ・ハングラー
アルベリッヒ:アルベルト・ドーメン
ミーメ:ゲアハルト・ジーゲル
ローゲ:クルト・シュトライト
ドンナー:アレハンドロ・マルコ=ブールメスター
フロー:タンセル・アクゼイべク
ファーゾルト:ステファン・ミリング
ファフナー:アイン・アンガー
ヴォークリンデ:クリスティアーネ・コール
ヴェルグンデ:サブリナ・ケーゲル
フロスヒルデ:シモーネ・シュレーダー
エルダ:クリスタ・マイヤー

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
指揮:クリスティアン・ティーレマン

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歌手の揃いが文句なくすばらしく、シュターツカペレが演奏するワー
グナーの上質で雄弁な音楽が耳の愉悦そのもので、贅沢な2時間半が
過ぎていったのだ。

物語の中心となるバリトン二人、ヴォータンのフォレ、アルベリヒの
ドーメンが表現、声量ともに申し分なく堪能した。フリッカの藤村実
穂子は声質がソプラノに近づいたかなと感じ、どちらかというと可憐
でたおやかなフリッカという印象。ローゲのシュトライトは、声量不
足が残念だったが、キャラクターテナーとしての表現は文句なし……
『ラインの黄金』だけで終わらせるにはもったいないキャスティング
である。

ティーレマンは奇を衒わず丁寧に音楽を造形していったが、2008年の
バイロイトで『ニーベルングの指環』四部作を通して聴いた時に感じ
た、ある意味で臭みらしきものが影を潜め、あまり好きとはいえなか
った意図的なテンポの変化も落ち着いたのではと感じた。

今年のバイロイトの『トリスタンとイゾルデ』もそうだったが、淡々
とした音楽を聴いて、芸風が落ち着いてきたのかと思ったが、それが
裏付けられてような気がしている。

演奏会形式だったが、サントリーホールP席にステージを組み立て、
そこで歌手が演技しながら歌うようになっていた。前奏曲が演奏され
ている時、パイプオルガンに照明が点いて譜面が見えたので、あるい
は、前奏曲冒頭の最低音をさらに増強していたのだろうか。我々が座
った2階席奥では効果のほどは感じられなかったが、ステージ左右の
LAやRAブロックでは聴こえた(感じられた)ようだ。

演奏時間は、およそちょうど2時間30分で、これはバイロイト音楽祭
で録音されたCDとほぼ同じだった。

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