刻話§記憶力の妙

記憶力はいいほうである……たぶん。

つまらないことはいくらでも覚えていたりする。前に書いたかも知れ
ないが、山手線全駅は電車を待っている2分か3分の間に覚えてしま
った。落語『寿限無』の名前もたちどころに憶えて、そんなあれこれ
は、いまだ記憶の中にある。

一番古そうな記憶はいつくらいだったのか、記憶の網を手繰り寄せて
みると、たぶん保育園に入る前の頃のことだから1958年、4歳くらい
だった時、父親と知り合いの家に遊びに行き、表に出て遊んでいたら
迷子になったことだろう。

広い表通りに出て、行き場所がわからずベソをかいていたら、大人が
2人くらいで家に連れて行ってくれたのだが、どうやら住所を覚えて
いた節があるのだ。そうでなかれば自宅まで戻れるはずなどはない。

4歳児が自宅の住所を覚えていたことと、そんなことがあったと60歳
を過ぎても覚えていることもまた記憶力のなせる業である。

ところが、そんな記憶力も直近のこととなるとからっきしとなって、
スーパーマーケットで買い物をするのに、3つの品物を買うと決めて
家を出たのに、スーパーに着いた頃には3つのうち2つは覚えていて
も、最後3つ目がどうしても思い出せないのだ。

……思い出せないということは、少なくとも3品買うという記憶はあ
るわけで、最悪なのは2つ買って3つ目をすっかり忘れてしまうこと
である。

そうであるがゆえに、自宅でメモで買うものをメモ書きして、それを
眺めながら買い物をしている昨今だが、ついこの間などはメモ書きに
書かれた品物を買い忘れてしまった。最悪なことは、メモ書きを家に
忘れて買い物にでかけてしまったことまであったりする。

《老化のトピックス一覧》

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